(参考)vi こぼれ話
◆viの歴史
Unix最初のエディタは "ed"と呼ばれるラインエディタである. 当時のコンピュータにはディスプレイはなく出力は主にラインプリンタだった.
※現在の我々には想像し難いが,プリンタ機能のついた電卓がそれに近い
そのため,行単位で編集を指示するラインエディタが実装されていた.
edは "ex" エディタとして機能拡張されたが,まだVDT(ディスプレイ)が普及しておらず,行単位の編集にとどまっていた.
その後,ディスプレイが普及して画面で編集するニーズが大きくなった.そこで ex を拡張し,カーソルを動かせるようなビジュアルモードをもたせたのが, "vi" である.つまり vi は ex にビジュアルインタフェースを追加したものだとも言える. vi の初版は1976年
vi はVisual Editorの頭をとって命名された
当然,viは ed/ex のコマンドも実行できる.":"(コロン)で始めるコマンドモードはed/exコマンドがベースになっている.
元祖viは,もともとは商用ライセンスに含まれていたため,上記Vimなどのクローンが盛んに作られた経緯がある.
Vimを含めviの子孫は今でも進化を続け, WindowsにもMacOSにもAndroidにも移植されている.
プログラマやシステムエンジニアをはじめ, 多くの愛用者がおり,プロのライターにも一定の人気がある.
なお,edやexは,スクリーンエディタが使えない場面で現在でも活躍している.ネットワーク技術者が知っておくべき素養の一つである.
※サーバにシリアル接続しての作業など,状況によってはエスケープシーケンスが使えず,画面制御ができない
◆vi 向きのPC:ThinkPad
viはキーボードから指を離さずに操作できるのが特徴だが,これを100%活かせるPCとして,lenovo (元IBM) のThinkPad) シリーズがある. ThinkPadにはTrackpointというゴムのコントローラがキーボードの真ん中についており,マウス操作をこれで行う.このためキーボード下のグラインドパッドや外部マウスに触れることなくウィンドウ操作が可能である.
つまり,Trackpointを使えば,キーボードのホームポジションから指を離さずにほぼすべての操作が可能になる.
これはコマンドラインへのキー入力が多い,UnixやPowerShellターミナルでの作業には非常に便利である.
また,ThinkPadは歴代を通じてノートPCの中では群を抜いてタッチが優れている.一度慣れてしまうと他のPCを使いたくなくなると言われる.
この特徴ゆえに,viユーザはThinkPadを愛用している人が多い.
https://gyazo.com/cd5266c21328d93dc5cf61b813b79b93
(藤井のThinkPad L570)
※vi向きのキーボード:HHK※
viを使っていると矢印キーを使う頻度が少なくなるるので,viユーザはコンパクトなキーボードを愛用している人が多い.
https://gyazo.com/96f0f153c011457b82a20dd0b4abeffc
★ThinkPadもHHKも,vi ユーザでない人にも一定の人気はある.
以上.
2023/10/31